概要
1983年にAT&T・モトローラが提案して北米標準となった、アナログ携帯電話の規格である。
特徴としては、次の点がある。
- 搬送波の周波数間隔を30kHz(15kHzインタリーブ)と広く取り干渉耐力を大きくしている。
- 60°指向性アンテナを使用しセルを6セクタに分割し、周波数帯域の繰り返し利用効率の向上と、空中線電力の有効利用を図っている。
この他アナログ方式共通の特徴として、
- 電波がデジタル方式に比べて遠くまで届く。このため、田舎ではデジタルは使えないがAMPSの電波はある、ということがよくあった。
- 電池の持ちはデジタル方式に比べて劣る。
- SAR(頭部への電磁波放出強度)の値は、AMPSは大きい。
などの特徴がある。
周波数としては800MHzバンドが使用されていた。米国では、連邦通信委員会(FCC)が、セルラーバンド(800MHz)事業者にAMPSのサービスを維持することをバンドライセンスの条件の一つとしていたが、この条項は、2008年2月までに撤廃され、もはや多くの地域でAMPSは利用できない。2006年以降に製造された端末では、ほとんどAMPSはサポートされておらず、事業者もAMPSのサポートを端末認定の条件から外している。