円柱座標変換

円柱座標変換(えんちゅうざひょうへんかん)とは、3次元ユークリッド空間数ベクトル空間)の、非線形座標変換の一つである。円柱座標変換の逆写像[注釈 1]のことを、円柱座標系という。円柱座標系は、極座標系の一種である[注釈 2]

円柱座標変換は、電子レンズなど、軸対称な系の計算によく用いられる[注釈 3]

定義

定義

円柱座標変換Φとは、

  (1-1-1)

で表される、r -θ-ζ空間からx -y -z 空間への多変数ベクトル値関数のことである。式(1-1-1)で定義されたΦに相似変換、場合によっては正則なアフィン変換を施したものも、円柱座標変換ということがあるので、特に混乱が生じる場合には(1-1-1)で定義されたΦを標準的な円柱座標変換ということにする。

r-θ-ζ空間、x-y-z空間の正体

数学的には、r -θ-ζ空間、x -y -z 空間は、共に3次元実数ベクトル空間)である[注釈 4]r -θ-ζ空間においては、第一軸方向をr 方向(r 軸)、第二軸方向をθ方向(θ軸)、第三軸方向をζ方向(ζ軸)とする。x -y -z 空間においても同様に、第一軸方向をx 方向(x 軸)、第二軸方向をy 方向(y 軸)、第三軸をz 方向(z軸)とする。この三軸によって定まる座標系を、「x -y -z 空間の標準座標系」(O-xyz 系)という[注釈 5]

定義域

式(1-1-1)の円柱座標変換Φr -θ-ζ空間のすべての点において、矛盾なく定義がされている。例えば、

  (1-3-1)

のように、どのような (r, θ, ζ) に対しても、ただ一つの行き先を定めることができる[注釈 6]

しかし、本記事では特段の断りがない限り、Φ の定義域は式(1-3-2) に定める領域 V に制限されているものとする。V は、r -θ-ζ の部分集合であり、閉集合である(開集合ではない)。

  (1-3-2)

つまり、Φ に代入されるものは、

  (1-3-3)

のすべての条件を満たす点全てに限って考えることにする。

Φ の定義域を式(1-3-2) の V に制限してもよい理由は、全射性が保たれていることによる[注釈 7][注釈 8]

円柱座標系との関係

x -y -z 空間に、標準座標系(O-xyz 系;「r -θ-ζ空間、x -y -z 空間の正体」の項参照)が定められているとする。このとき、円柱座標系P とは、

  (1-4-1)

で表される、x -y -z からr -θ-ζ空間への多変数ベクトル値関数のことである。但し、θ(x , y , z) は、以下の定義式(1-4-2)で与えられるスカラー値関数である。θ(x , y , z) の定義域はx -y -z 空間の原点以外である。その他の成分は、x -y -z 空間全域で定義されている。従って、円柱座標系P の定義域は、x -y -z 空間の原点以外である。

  (1-4-2)

円柱座標系は、以下の手順で、幾何学的に理解することもできる。

  • 任意の点Pからxy平面に下した垂線の足をQとする。
  • 線分OQの長さをrとする。
  • 線分QPの長さをζとする。
  • x軸と線分OQのなす角度をθとする。

また、円柱座標系と円柱座標変換は、相互に逆変換となっている。

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