キリスト教社会主義

キリスト教社会主義(キリストきょうしゃかいしゅぎ)は、 キリスト教内における 社会主義思想。 宗教社会主義の一種である。広義では、 解放の神学社会的福音がこの部類に入る。

概要

19世紀の 資本主義の広がりに対して、キリスト教の多くは ブルジョアジーと妥協しがちであったが、早くから資本主義の矛盾に気づき、特に 産業革命以後の工場における 労働者への非人間的待遇に目をむけた者がいた。

イギリスでは チャールズ・キングズリなどがキリスト者の社会的責任を強調、 革命ではなく、愛と奉仕の精神による 協同組合を通じて労働者の教育と社会環境を改善、生活向上など 社会改良に努めた。

ドイツでは19世紀にヴィヘルム・エマニュエル・フォン・ケテラー(Wilhelm Emmanuel von Ketteler,1811-77)などの キリスト教社会運動があった [1]反ユダヤ主義で知られるウィーン市長でオーストリア・キリスト教社会党の カール・ルエーガーもキリスト教社会運動の影響を受けていた。 アドルフ・ヒトラーはルエーガーの影響を受けていた。このほか、 カール・バルトパウル・ティリッヒプロテスタント 神学者の立場から社会主義を深めた。ティリッヒは ナチスを避けてアメリカに亡命した。 ナチス左派オットー・シュトラッサーの父ペーターはキリスト教社会主義者だった。

カトリック教会においては ローマ教皇 ピウス9世1864年にピウス9世が『 近代主義者の謬説表:ピオ9世の数多くの訓話、回勅、書簡による大勅書(誤謬表)』を発し、信教の自由、自由主義神学、社会主義、共産主義、世俗法の教会法に対する優越などが過ちであるとされた。 1891年レオ13世回勅レールム・ノヴァールム』で旧来の職業組合が破壊され、労働者が残酷で無軌道な競争に翻弄されているとし、他方の社会主義は富裕層を憎悪するよう貧困層を駆り立てるところが過ちであると批判した [2]。回勅では、国家が分配的正義を適用して労働階級を守るべきであり、労働組合によって貧困を軽減すべきであるとされた [2]

アメリカ合衆国では ドロシー・ディマーティン・ルーサー・キング・ジュニアコーネル・ウェストがいる。 ラインホルド・ニーバーは第二次世界大戦前には 社会的福音を説いて アメリカ社会党を指導したが、戦後はキリスト教的リアリズムから 反共主義となった。カナダでは トミー・ダグラスが、ブラジルには レオナルド・ボフが、 エクアドルには ラファエル・コレア、 などがいる。

日本では 安部磯雄村井知至河上清賀川豊彦中島重田中一石川三四郎九津見房子片山哲がいる。


現在、キリスト教社会主義(キリスト教のみならず 宗教社会主義全般を含む)の国際組織として 宗教社会主義国際連盟英語版があり、 社会主義インターナショナルの協力組織となっている。

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